このレビューはネタバレを含みます
日本での劇場公開時にちょっと話題で気になっていた作品を鑑賞。
インドにおける衛生意識の低さとか女性の人権意識の低さとかを考えさせられる「社会派」な作品、のはず。
インド映画なのでもちろんみんな歌いまくるけど意外とあまり踊りはしない。
主人公のラクシュミが、妻のガヤトリの健康のために生理用ナプキンを自作するけど、その行動はインドの田舎の村の中では「妻想いな夫の善行」ではなく「変態男の奇行」として受け取られてしまう。
21世紀の話とは思えないような反応を示す村の人々に、観ているこっちがイライラしてきたほどだった。
インチキからくり人形には疑いなく大金を供えるくせに、生理用ナプキンには使えないと言う妻。
まあ、妻が求めていない優しさを押し付けられてもね…っていう気持ちはわからなくはないんだけど。
ガヤトリは、ひたすら夫を拒絶するばかりで、彼がどうしてそんな行動をしているのかを理解しようとはしていなかった気がする。
ラクシュミは村を追われるけど、生理用ナプキン作りを諦めない。
そして、最高のビジネスパートナーであるパリーと出会う。
ガヤトリよりよっぽどパリーのほうが良い女だし気も合いそうじゃん!って思っていたから、パリーが身を引いてしまうラストはなんだかモヤモヤした。
ガヤトリなんて、結局はずっとラクシュミを拒絶し続けてて、ラクシュミが有名になったらまた近寄ってきただけの女じゃね?
なんかちゃっかりインドの首相に表彰とかされてたけど、ガヤトリってそんな表彰されるようなこと何もしてなくね?
…と、パリーに好感を持ちすぎて、もはやガヤトリアンチになってしまいそうだった。笑
パリーの、妻を一途に想う男だからこそ好きになったのであって、自分に乗り換えるような男になってほしくない、みたいな気持ちもわかるけど。
まあパリーにはもっと良い男がいるよね!
美しくて賢くて気高い女性だったから。
映画を観た後、クウェートとパキスタンではこの作品の上映が禁止されたと知って、まるでこの作品で描かれていたインドの田舎の村みたいな国だなって思ってしまった。
この地球上には、まだまだそんな国が沢山あるんだろうなあ、悲しいことに。
【2019.09.03.字幕鑑賞】
【2019.09.05.レビュー編集】