ユンファ

空母いぶきのユンファのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
1.0
おそらく汚い言葉を連発してしまうと思うので、嫌な人は読まないで下さい。

完結したばかり(続編が絶賛連載中)の原作は大好きだし、良い映画を作るため一生懸命働いたスタッフ・キャストの皆さんに申し訳ないのでこんなことは言いたくないが、日本映画史上稀に見るレベルのクソ映画。
1シーン1カット足りとも良い場面、面白い描写がない。オレがかわぐちかいじ先生だったら、確実に責任者をぶん殴っている。
オレの記憶の中の実写版「デビルマン」よりもクソ。
あまりにもクソなので、数多ある中からごくごく一部ではあるが、クソポイントを紹介する。

まず1カット目。
『そう遠くない未来』
は?何言っちゃってんの?原作の「空母いぶき」は、今そこにある危機を描いてんだよ!未来の話なら、ガンダムとかヤマトでお腹いっぱいですから。
『東亜連邦が』
は?何すか、それは?実写版「CASSHERN」か何かかな?この話は実在の国が攻めてこない限り、意味ねーんだよ!原作は中国が侵犯してくる話だから、なかなか製作が難しいのは分かる。分かるけども、じゃあ何でコレ作ったの?架空の国と戦う話を観るくらいなら、ガミラスとかと戦ってるほうが10000000000倍くらい面白いんですが。

西島秀俊ニヤニヤ問題
原作では言動や行動にキレ者感が漂いまくっている秋津艦長だが、本作では何故か西島秀俊が終始ニヤつきながら演じている。西島さんは日本映画界を代表する素晴らしい俳優の一人だと思うが、どういう演技プランまたは監督の演出でこうなったのか、気になって仕方がない。実は猫の動画が好きで、度々思い出してはニヤついてるんじゃないかとか、要らんことばかり想像してしまった。

戦闘シーンCG荒過ぎ問題
「カムイ外伝」以来のクソクオリティCGに唖然とした。ブックオフで100円で売ってるプレステ1時代のクソゲーかと思った。

会議シーン緊迫感なさ過ぎ問題
佐藤浩市扮する総理と閣僚たちの会議シーンが度々挿入されるが、やたら怒鳴ったり後ろで誰かが走ったりしてるだけで、緊迫感はおろかインテリジェンスの欠片もない。そもそも熱血漢役をやり過ぎている佐藤浩市は全く総理に見えない。「シン・ゴジラ」はもちろんだが、他の東宝特撮映画に登場する会議シーンにも遠く及ばない出来。やっぱり中尾彬いねえとダメだな。

コンビニシーン不要問題
おそらく本作が抱える最大の問題だと思われる。映画を観ていると、どんなにスベっている描写でも「この場面はこういうことを言いたいんだろうな」と何となく感じるものだが、本作におけるコンビニの場面はマジで1ミクロンも意味も意図も理解出来ない。
「コンビニ」というセリフがあるから「コンビニ」として認識可能だが、日本人なら誰がどう見てもコンビニには見えない。本作の責任者は、生まれてから一度もコンビニというものに行ったことがないと考えざるを得ない。
中井貴一扮するコンビニ店長が懸命にクリスマス向け商品の梱包を行なっているのだが、あんなダサい見た目の商品が何百と売れるとは到底思えない。オレだったら、迷わずファミチキやからあげクンを買う。あんなアホみたいな作業に時間を割くくらいなら店長はレジ打ちを手伝うべきだ。
おっと、本題から逸れてしまった。つまり、コンビニのシーンはクソな完成度であるばかりでなく、全く映画の内容に絡まない不要な場面なのだ。しかも、誰がどう見ても。
ここから導かれる結論は…

監督クソ過ぎ問題
シナリオも大体悲惨な出来ではあるが、総じて演出がクソ過ぎる。
若松監督の映画を面白いと思ったことは一度としてないが、ワケのわからん芝居、緊迫感のない場面構成、そもそも不要な場面を連発と、じゃあお前には一体何が出来んだよ!!とさえ思う。
時代の流れから取り残された老人が映画を撮るとこうなる、という最悪の見本が本作だ。
フクシマうんたらとか一生観ねえわ。
ユンファ

ユンファ