ニャンおっ太

未来を乗り換えた男のニャンおっ太のレビュー・感想・評価

未来を乗り換えた男(2018年製作の映画)
4.0
ナチスドイツが敗戦しなかった未来はフィリップ・K・ディック「高い城の男」やスティーヴ・エリクソン「黒い時計の旅」などの小説が有名ですが、同じ設定のこの映画が大きく異なるのは舞台が現代のパリ〜マルセイユなのに情勢は第二次世界大戦下という点。まあ低予算を克服するアイデアなだけかもしれませんが。ナチス侵攻からの亡命者と今の移民問題を重ねているそうです。自殺した作家の分身と彼を探す運命の女の悲壮な物語。ミスリードを誘う謎の語り部と状況説明のない不条理なスペキュレイティブに混乱しつつ、衝撃的なラストに唖然としていたら、まさかの1985年のニューウェーブ有名ヒット曲エンディング反則技に鳥肌感動。