逆鱗

アイネクライネナハトムジークの逆鱗のレビュー・感想・評価

3.0
この作品は、次のような物語である。

普通である勇気。
何気ない日常の重要性。
いつもそこにあることが当たり前と思っていると、ひょんなきっかけで無くなってしまうこともある。実はそんな儚い日常。

私も40歳を超えてようやくわかるようになった。

妻と2人笑って暮らす毎日が、当たり前のようで、普通のようで、でも、絶妙なバランスで成り立っている。
このバランスは普通に見えるが、バランスを崩すのは簡単。
バランスを長期間維持するのは、不断の努力がいる。
しかも無意識でできるくらい習慣にしないとお互いがしんどくなってしまう。
そのくらいしたって、周りから見ればいたって普通。

我が家は、共働き、埼玉在住、車は無く、旅行や外食はあまりしない...
でも、家に帰るのが毎日楽しい!

こんな何気ない日常こそ、特別なのである!
普通である勇気を持って、日々努力して生きよう!!

ただ、映画をエンタメとして楽しむなら、この作品は感情を揺さぶられるシーンが少ないため3点とした。
客席で棒切れを折る、ボクサーがそれを見るというあり得ない演出は興醒め。

佐藤とサキの恋物語より、高校生の恋物語の方が、グッときて良かった。
最後、駅前のシーンで、女の子がフレームインして来て、路上シンガーの歌に聴き入って気付かない男の子の裏から前へ回って隣に立って気付かせるところ、とても良い演出でした。
逆鱗

逆鱗