Marie

ねことじいちゃんのMarieのレビュー・感想・評価

ねことじいちゃん(2019年製作の映画)
3.5
猫好き必見の映画。
これまでも猫が出てくる映画は観たことがあるけど、その時その時の一番良い表情の猫を、ここまでリアルに映像に収めれるのは、岩合さんだからこそなんだと思う。
しかも今回は、猫だけでなく人間や佐久島の自然、町並み、家の中の道具類まで、手を抜かずしっかりと収めている。演技というより、何かを見つめる横顔とか差し出された手だとか、それだけでなく演技とは関係ない、きらめく波や風にそよぐ草花、そういったものから、とてもリアルにその場所を感じることができた。さすが、一瞬を切り取る写真家ならではの映画だと思った。

この映画は読書に似ている。
私たちは読書する時に行間を読むように、岩合さんの写し撮ったものから、登場人物と登場猫達の物語を、それぞれの頭の中で想像することが出来る。贅沢な時間が過ごせる映画だ。

観賞後、近くの席に座っていたご夫婦が
「猫ってあんなに言うこときくのかな?」
「知らないのか?猫は、岩合さんの言うことは何でもきくんだぞ」
と話していらっしゃって、思わずにやけてしまった。
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