はるのそら

家へ帰ろうのはるのそらのレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
4.5
重く深い闇の扱いにくいテーマを、登場する素敵な「他人」の人情味によって清々しい奇跡の旅になっている。
冷たい身内より、袖触れ合った他人達の役回りが素晴らしい。
スペインの宿屋の色っぽい女主人と軽口を叩くデートは88歳と思えぬ、アルゼンチン気質である主人公の茶目っ気がよく出ているし、
ドイツ人によるあっさりした、しかし思いやり溢れる手助け、
さらにポーランド人の看護師ははるばる運転手になり、土壇場でおじけづく彼を「大丈夫。あなたは素晴らしい」と励まし、ゴールへ導くカッコ良さ。
70年の時を得ても、なんの変わりもない路地にも驚くが、それだけに感動が押し寄せる。誰もが知っておくべき歴史。良質な映画。
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