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ライトハウスのotomisanのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
3.8
 燈台も無人化されるわけだ。人殺しのいじめられ男がいびり屋の上司と一緒に死んだ船乗りの生まれ変わりカモメしかいない離れ小島で殺し殺されを演じるまでに十分な地獄絵図を見せてくれる。しかし、それが本当の生き地獄なのか、人外境で殺人の呵責と新たな怨敵のいびりに狂った@@@の妄想なのかいびり屋上司の指摘を受けてしまうと、エンドロールの後で雪の森で縊れた@@@があらわれて終わるような期待が生まれてくる。
 しかし、ライトハウスと名乗る通り、地獄の頭上には光に満ちた別世界があり、いびり屋は厳に@@@の入室を許さない。過去の殺しに@@@なりの道理があるように、次なる犠牲者にも死ぬべき道理がある。それが@@@が生き延びる力でもあり、悪のいびり屋が独占する光の世界を奪取することは@@@の正義である。神が@@@を裁くなら悪から光を解放してから裁けばよい。
 無菌室のような清楚さをまとったフレネルレンズが地上の地獄に微笑むようにして、これが天界の本性だよと@@@の目を眩ませる。その明るさに酔ったとたん落ちてゆくデススパイラルが墜落死では不十分と嘲るようだ。
 船乗りを助ける灯りに近づき過ぎた罪人が死んだ船乗りの生まれ変わりから緩慢な死刑を執行されるのを眺めるうちに裁く神は何者かわからなくなってくる。ともあれ、森での死は過剰処罰と思えてくるだろう。
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