lili

いつだってやめられる 闘う名誉教授たちのliliのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

愛すべき高学歴おバカイタリア映画のシリーズ三作目は、満を持して本物のインテリ(医学部出身)であるルイージ・ロ・カーショをして脚本を読まずに出演を快諾せしめるという離れ業で格を上げ、有終の美を飾ってしまった。ピエトロ一座は相変わらず全員喋りまくりで一瞬たりとも深刻さの入り込む隙を与えていなかったが、ルイージ・ロ・カーショがそれに合わせることなく全力でいつも通りのアモーレの物語を展開し始めたのでかなり笑った。この人が悪に堕ちるなんて、よっぽどの理由があるんだな…と思わせることにかけては右に出る者のない美しい目である。ムレーナさんとのエモい組み合わせがもはや違う映画みたいになってて大変素敵でした。
今作は完結編ということもあってか、これまで描いてきたイタリアの大学(院)生たちの絶望的な状況を未来の学生たちのためにどうにかして打ち破りたいという、報われないが愛に満ちた大人たちの思いが込められていて、こんな風に締め括るなんてズルい…と一本取られたように感じて悔しい。こんな大人になりたい(なってはいけない)。
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