テイストの一貫した良い作品だと思います。実話なので滅多なことは言えませんが、ラストのファンタジーさがこの作品の論点になるかと。
もう少しイメージ的な絵面や、色味の付加などで夢と現実の行き来をしそうなものですが、その境界を曖昧にするために明暗が多用されていたように思います。
また、撮影についてはカットが長めで、地面に近い位置からのアングルが屋外でのロケでは多めな印象で、人物をはっきりと映していましたが、動きや回り込みの仕方が1作品内で質が変わるので技術的な面ではあと1歩。
音での演出はこれといって問題ないくらいに適度で、むしろ観客を選ぶ静寂もあり、個人的にも良いと思いました。
