黄推しバナナ

教誨師の黄推しバナナのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.5
動物は殺してもいいのに、
人は殺してはいけないのか?

牛や豚は良くて、
イルカは駄目なのか?


監督 : 
佐向大
脚本 : 
佐向大
原案 : 
佐向大
出演者 : 
大杉漣
玉置玲央
烏丸せつこ
五頭岳夫
小川登
古舘寛治
光石研
青木柚


以前1度鑑賞して胸糞作品だったので、当時の記憶を思い出してレビューしていきます。

記憶違いの点や、勘違いの点があるかと思いますが、再鑑賞したくありませんのでご了承下さいませ。


ファーストインスピレーションは、昔のテレビ作品なら分かるが何故に、 4 : 3 の画面サイズ(ブラウン管テレビ←正方形)なのか!?

最近の作品なのに???って冒頭集中出来なかった。

まぁ最後の最後に佐伯保(大杉漣)が拘置所から出てきて、 16 : 9の画面サイズ(液晶テレビ←長方形)に変化したとき、閉鎖感(拘置所=閉じこもった心)から開放感(一般社会=開いた心)を表すものだったと気付いたのだが、最後の最後に示って分かりにくいよ…だが良い演出だとおもった。

一方、悪かった演出は、佐伯保(大杉漣)の子供の頃の川での回想シーン、頭の中で作り出した佐伯健一(青木柚)が現れるシーン、鈴木貴裕(古舘寛治)の殺害した女性が見えるシーン、これらは面談部屋に対面対話、BGMもなしでリアルに表現し積み重ねてきた演出を台無しにしてしまった…

そこは見える体での演出と対話(台詞)だけでの子供の頃の出来事にしてほしかった…
演出としては地味な絵面の味変的な事で取り入れたのであろうが、終始地味で退屈で眠たくなる作品なのは分かりきっての上で見ているので必要なかったなぁ…


あとはテーマね…
今作より子供でも分かりやすく作っている作品があって、2008年制作のクリストファー・ノーラン監督の“ダークナイト”という作品。

コレも同じテーマではある!

ヒース・レジャー演じるジョーカーが特に不気味で何を考えて犯罪を繰り返しているか理解不能…

マイケル・ケイン演じるアルフレッド・ペニーワースがジョーカーと言う対象を分析して言う台詞がある。

Alfred Pennyworth: Well, because he thought it was good sport. Because some men aren't looking for anything logical, like money. They can't be bought, bullied, reasoned, or negotiated with. Some men just want to watch the world burn.

「彼らにとって盗みは楽しいスポーツだったんです。金が目的といった理屈を求めてもムダな連中もいるんです。彼らは買収も、説得も、交渉もできません。ただ世界が燃えるのを見たいという連中なんです」

高宮真司(玉置玲央)が言いたかっであろうニュアンス、

世界を変えてやろうとか
世の中をよくしてやろうとか
いらないものは排除してやろうとか

そんなものは理由付けしてるだけ!

こいつらは全て、

「ただ世界が燃えるのを見たい」

この台詞が全てを集約している!


アーロン・エッカート演じるゴッサムシティの正義の象徴・弁護士のハービー・デントが悪の道に落ちトゥーフェイスと化す!

囚人を満載し移送する1隻のフェリーと、一般市民を満載し移送する1隻のフェリーそれぞれに、ジョーカーは両方の船に爆弾を仕掛けた上で、互いの船の起爆装置を残しており、午前0時までに片方が爆破されればもう一方は助けると宣言するシーンがある。大小違えど囚人も一般市民も罪を背負って生きている。全ての人間は地上に生まれ落ちたところから罪が発生する事の証明を図る!

進藤正一(五頭岳夫)の紙に書いてまで言いたかっであろうニュアンス、

誰が私の罪を裁けるのであろうか

コレがまさにジョーカーが証明したかった事であろう!


また今作の、佐伯保が一線を越えなかったキャラで言うなら、ダークナイトでは親の敵を取りそこねたクリスチャン・ベール演じるブルース・ウェイン / バットマンがそれに当たるのではなかろうか。


まぁ、当時はこんな事考えていました。
※教誨師の台詞的なものは確認してないので一言一句あっているとは思えません。ニュアンス的にそうであったのではと言うことです。


余談ですが、
冒頭の


動物は殺してもいいのに、
人は殺してはいけないのか?

牛や豚は良くて、
イルカは駄目なのか?

その回答は…

ミステリと言う勿れ(2016年)
原作者 : 田村由美
Episode2
会話する犯人

人を殺しちゃいけない法律なんて無いんです。
今は殺しちゃいけないってことに、まあなってますけど、一たび戦時下となればいきなりOKになるんですよ。それどころかたくさん殺したほうが褒められるって状況になる。そんな二枚舌で語られるような適当な話なんですよ。実際今も殺しまくってる場所は世界中にある。自国では殺しちゃダメでも、他人の国には空爆OKの人たちもいる。僕はそういう人たちは子供になんて説明してるんだろうと興味があります。

私が思っている事を付け加えると、牛だろうが、豚だろうが、イルカだろうが、人間だろうが、別に殺しても良いんですよ、だけどね肉食動物は生きるためだけの草食動物を殺して食べる!草食動物は生きるためだけの植物を食べる!これらは無駄に取って食べたりしない!それは生きるためと言う一本筋の通った考えで生きているから!

それに引き換え人間は欲のために殺す!

金欲
性欲
食欲
独裁欲
自己顕示欲
怒り
復讐
虚栄心
まだまだ有る…
数えたらキリがない…

これ全てルールや法律なんて縛りが無かったらどうなるか!?

その答えを示している映画がある!


NOTHING ナッシング(2003年)
監督 : ヴィンチェンゾ・ナタリ

幼なじみの男2人は、災難続きで世の中のすべてが嫌になる。やがて彼らは、自分たちを煩わせるものを消す能力があることに気づき、自分達の弊害になるものを、自分達を中心の小さい範囲からエスカレートして行き広大な範囲まで…

と言う内容だが最後は…

自分の目で確認して下さい!


だから人間は人間を殺してはだめなんですよ。安全に社会を保つために法律やルールと言う縛りがあるのです。

①鑑賞年齢40代
②心に余裕鑑賞なし
③思い出補正なし
④記憶明確
黄推しバナナ

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