めんたいこ

教誨師のめんたいこのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
4.0
驚異的な情報量よ。

大杉漣をはじめとした役者陣の演技に震える。基本的に室内だけで展開されるこじんまりとしたストーリーにすべての俳優が奥行きを与えていてリッチな映画体験を作り出していてお見事としか言いようがない。

残念な点はふたつ。

ひとつはあくまでカメラは客体として撮影してほしかった。登場人物の見える世界を直接的に描くことはリアリティを削ぐと思うし、少し野暮に思える。

もうひとつは手持ちのカメラ。演者の動揺などをカメラの揺れで表現するのはどうなんだろう。もう少し突き放した録画装置としての立ち位置のほうが良かったと思われる。

ラストのファニーゲーム、殺人の追憶メソッドは少々やりすぎな気はするけれど、映画のテーマの底上げとして良い効果を上げている。

大杉漣の最後の主演映画として、氏の役者人生の集大成といえる佳作だと思う。オススメです。