めんたいこ

50回目のファーストキスのめんたいこのレビュー・感想・評価

50回目のファーストキス(2018年製作の映画)
2.5
大洗にも星はふるなり、明烏の監督ね。納得。

福田雄一作品の脚本・監督作の特徴として漫才メソッドを多用した演出が頭に浮かぶ。作中に細かいボケとツッコミを散りばめて、それをもってドライブさせていこうというやつだ。

この手法はネタの回数を増やせる事と、とりあえずインスタントにどんな映画にも持ち込む事ができるため、視聴者層問わずまんべんなくクスリとする瞬間を届けやすいというメリットがある反面、非常にテレビ的な絵面になってしまうという欠点がある。

銀魂シリーズなどはそもそも原作が上記の構造を持っているためうってつけの監督だったと思う。色々言いたいことはあるが良い作品だった。

しかし、その利点である「どんなものにでもくっつけることができる」の弊害として、本質的に相性が悪い本作のような恋愛コメディにもふりかけてしまった結果物語のストーリーテリングとは別の場所でワチャワチャお笑い劇をやっているといった散漫な印象を受けた。

フリカケはなんの料理にかけても構わないが、かならず美味しくなるとは限らないということだ。

また2018年の作品としてはコンプライアンス意識がかなり低く感じられ、目も当てられない惨状となっている。性的マイノリティをほぼ全編通して笑いのネタにするなど言語道断で、どうにかならなかったのかという憤慨を禁じえない。

僕は2004年のアメリカ版原作を見ていないので、もしかしたら上述の漫才メソッドも性的マイノリティネタも原作通りなのかもしれない。しかしそれらが物語の本質的な面白さに絡んでいないならば、リメイク時に手を入れるべきだと思う。(そしてそこが本質だとは到底思えない)

ハワイが舞台なのに主要登場人物がほぼ日本人というのも違和感でしかないし、なんとも残念な映画でした。

というわけで長澤まさみ出演映画であればアイアムアヒーローがオススメです!!(それでいいのか)