「現代社会を生きる我々は見るべき」という映画に弱い。
カメラワークが秀逸で、「隣では凄惨な事が起こっている」という絵を執拗に描き出している。この息が詰まるようなコントラストは徹頭徹尾続き、視聴者を深い沼に引きずり込む。
映画的なエンターテインメントを削ぎ落とし、始終シリアスなトーンとキャストの熱演で掴みかかってくる。これはもはや暴力だ。
一貫した息苦しさにより実際の上映時間よりとても長く感じるが、ソロモンの12年に比べれば容易いものだ。
「見るべきだから見る」ものではなく、「傑作だから見るべき」作品と言えよう。オススメです!