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ミスター・サルドニクス
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『ミスター・サルドニクス』に投稿された感想・評価

[あなたは慈悲を与えるか?与えないか?] 70点

したり顔のおじさんが夜のロンドン橋で葉巻を吸いながらカメラに話しかけている。リー・J・コッブみたいな面倒くさいおっさんの雰囲気だが、彼こそが監督ウィリアム・キャッスルだと自己紹介し、映画楽しんでね!と声をかける(何しに来たんだ)。ここからも分かる通り、本作品は中々ツッコミ甲斐のある物語が展開される。サルドニクスという男爵の妻となった元カノのモードから連絡を受けたロンドンの優秀な外科医ロバートは中欧ゴルスラヴァへと旅立つ。城ではいきなり顔中に蛭をくっつけられたメイドに出会い、その後に現れたサルドニクス男爵はスケキヨばりのマスクを付けていて、しかもそのマスクの下は現代版『笑ふ男』といった具合の歯がむき出しになった強烈な笑顔で、更にその笑顔になった過程が衝撃的にダサい。んなわけあるかい、という荒唐無稽な設定が並んでいるわけだが、怪しい城主と怪しい執事のいる古城から"囚われの美女"を救出するという基本はしっかり押さえているので中々面白い。特にサルドニクスの素顔が初めて登場するシーンやモードがサルドニクス義父の顔を見るシーンの暗闇→登場の流れは好き。
本作品の面白いとこは、衝撃的なサルドニクスの顔を要所以外で隠すところだろう。これによって後半は"あの仮面の下にはあの顔があるのか"という妙な緊張感が生まれると共に、義父の死体がドーンと出てくる"笑顔"の天丼展開が薄まらないのだ。

"ギミックの帝王"ウィリアム・キャッスルが用意した今回のギミックは"パニッシュメント・ポール"という観客にサルドニクスの運命を決めさせる投票みたいなものである。事前にYouTubeの評価ボタンみたな厚紙が配られたらしく、観客はそれを掲げて投票するらしい。ラスト5分で再びキャッスルが登場し、観客の挙げているであろう札を嬉しそうに数えていく。そちらのお嬢さん、もうちょっと高く挙げて。そっちのお兄さん、見えませんね。そして…
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.5
【結末は観客に委ねられた。】
松永伸司「ビデオゲームの美学」にて、映画、絵画=鑑賞、ゲーム=受容の方程式を提示された。ゲームは、自らのアクションによってゲームキャラクターが反応する。その相互作用を楽しむため、鑑賞とは別の用語を当てはめた方が良いとのこと。この理論を踏まえると、映画系VTuber界隈を中心とした同時視聴文化や応援上映は映画体験を鑑賞から受容のものへと変換しているのだと考えられる。こうした時に、ウィリアム・キャッスル映画を本格的に掘り進める必要があり、昨年3本だけに留まったウィリアム・キャッスル映画特集を再開することにした。今回は、映画の受容的体験を語る上で重要な『ミスター・サルドニクス』について書いていく。

「世にも奇妙な物語」のタモリが如くウィリアム・キャッスルが登場し映画を盛り上げる導入を作り出す。そして、映画は欲望と狂気に包まれた話へと発展していく。亡くなった父が遺した宝くじが当選していたことに気づくサルドニクス。墓を掘り起こす際にトラウマを抱き、顔がおかしくなってしまう。映画は、50年代頃の怪奇映画のようにのっそり進むのだが、マスクの滑稽さが今観ても退屈させないものへと昇華させている。

本作では終盤に、ウィリアム・キャスルが観客に語りかけてくる場面がある。劇場で配布された指を突き立てた紙の説明をする。サルドニクス氏にハッピーエンドをもたらすかバッドエンドをもたらすかを観客に決めさせるのだ。こウィリアム・キャッスルの自伝『STEP RIGHT UP!』によれば、ラストシーンを巡ってコロンビア社と揉めたことで考案されたギミックとのこと。ハッピーエンドを望むコロンビア社に対してバッドエンドで行きたいウィリアム・キャッスル氏は、投票システム"the Punishment Poll"を採用し、結末を観客に委ねた。そして観客はウィリアム・キャッスルの味方をしたのだ。

2019年末にNetflixが『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』で、観客の選択により変わる物語を配信し話題となった。その原型をウィリアム・キャッスルはやってのけたのである。しかも、投票シーンはVTuberをはじめとする動画配信者にとっては参考になるものが多いだろう。客席を覗き込むようにして、紙を集計しているそぶりを魅せる。そして、結末は言葉で言及せずに映画へと誘導していく。まるで、その場にウィリアム・キャッスルがいるかのような素振りは動画配信で応用できそうなものがある。

ウィリアム・キャッスルの軋轢をエンターテイメントに変える情熱に視惚れたのであった。
Naoya

Naoyaの感想・評価

2.4
19世紀のロンドン。有名外科医の男が、著名人である伯爵サルドニクスの邸宅へと訪れ、ある依頼を要求される。ウィリアム・キャッスル監督作。サルドニクス男爵の過去に対する作り込みが良く、展開に良い材料となり、物語に面白みが出てます。本作での娯楽のギミックとして、鑑賞者の投票で映画の結末が変わる、サルドニクスの人生を左右できる「パニッシュメント・ポール」が斬新。多数決で悪役の最後を決める前代未聞の展開、演出は楽しめます。映画ながら、マルチエンディングとなる要素は良い。