Yutaka

ティコ・ムーンのYutakaのレビュー・感想・評価

ティコ・ムーン(1997年製作の映画)
4.0
ジュリーデルピーと赤いウィッグに惹かれ鑑賞。赤いウィッグといえば『フィフス・エレメント』のミラ・ジョヴォヴィッチだけど、こちらも負けじとアイコニックな魅力を放っていた。監督はバンド・デシネの巨匠ってことで元々映画の人じゃないから、色々と欠陥は多いけどその不完全さも魅力的。月を舞台にした全体主義国家の支配者が遺伝的疾患に悩まされ、臓器提供者を探すというサイバーパンクSF的な面白さがめちゃくちゃ詰まった設定だけど、その設定をあまり活かさずに街は少し錆びれたパリのようで、プロットよりも2人の愛の描写を優先しているところが、如何にもフランス映画っぽい。ていうか、『汚れた血』。劇中の色の使い方はトリコロールを象徴しているだろうし、あからさまな日本からの影響や動物農場のオマージュ(豚のナポレオン)があって面白かった。そりゃあ敵を倒すところがあっさりしすぎていて全然面白くないし、脚本もカットも無駄が多くて散らかってた。良い意味でも悪い意味でも映画を知らない映画。
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