賽の河原

ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間の賽の河原のレビュー・感想・評価

2.0
「メアリと魔女の花」でお馴染みスタジオポノックの劇場短編映画ですね。
私は別にジブリ作品にそこまで思い入れもないんですけど、前作の「メアリと魔女の花」は言いたいこともむちゃくちゃありましたけど、そこそこ楽しめたんですよね。
不条理だと思ったのはジブリ民たちが意外と「メアリ」に冷淡だったというか。「ジブリ感を醸すセルフオマージュ」の評判が非常に悪くて頗るかわいそうでしたね。「ジブリ作品表層オマージュだらけのメアリをそこまでボロクソに言うなら、宮崎駿作品とか高畑勲作品の根幹をなす部分とは何で、その点メアリがどう至らないのか述べなきゃフェアじゃねーだろ。」と思わないでもなかったですね。
今作3本の短編のオムニバスですけれど、2本目の卵アレルギーを持つ男の子と母親の物語「サムライエッグ」はかなり面白い、というか食品アレルギーというものについて非常に考えさせられる、なんなら教職課程の学生とかは必見の作品で、時間の尺も短いしソフトとかで手元に置いておきたい教材みの高い社会派映画でしたね。#最高
3本目の「透明人間」もまあまあボチボチ良かったですよ。
1本目の「カニーニとカニーノ」は米林宏昌監督作品なんですけどね。やっぱり米林監督はアニメーターとしては素晴らしいと思いましたけど「映画監督」としては「メアリと魔女の花」同様に...という感じで、アニメーションの技術ばかりが前面に出ていて「おお、スゲーじゃん。」って感じでしたね。
3本のオムニバスの手前のオープニングで木村カエラが「ポノック〜♪ポノック♪」って歌うテーマが流れるんですけど、「スタジオポノック、メアリで割りと評判落としてるのに、そういう人の神経逆撫でするオープニングで腹括ってるなあ」と感心しましたね。
スタジオポノックの「ポノック」ってセルビア語で「深夜0時」という意味なんだそうで、次に出す長編が勝負の1本になると思いますけど、「メアリと魔女の花」と本作見る限り、まだまだ夜明けは遠そうですね。
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