ゆき

旅のおわり世界のはじまりのゆきのレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
3.4
新境地

ウズベキスタンにて伝説の怪魚を追うテレビ番組のリポーターと撮影クルー。
様々な未知の体験で本来目指す自身の姿と向き合うこととなる。

ドキュメンタリー調に進む物語は「前田敦子」を贅沢に使って撮り切りたい監督の欲を120分見せられた感覚。となると、撮影クルーは自己投影なのかな。
納得しきらない雰囲気がデフォルト、目を離すと何かありそうで脆い主人公。
出てくる人物たちの過去や現状もぽろぽろ見え隠れするが、回収しきるわけでもない。その余白を楽しむべき作品だったのか…ただ、キャストに期待しすぎた初見ではちょっと難しい。
海も伝説も実態を把握しないままぼんやりとしたものを目指すのはいい歳の大人には闇雲すぎる。「お金持ちになりたい」って夢と一緒だ。
美しいロケーションと黙々と魅せつける実力派俳優たちを眺めるにはいい一作。
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