喜怒哀楽の中で哀しみって一番自分でもアクセスしにくいかつ他者に表現しにくいものなのかもしれない。
若おかみは小学生のころ読んで、設定も雰囲気も記憶通りけど今考えると大分重めだったんだな……。感情の機微の描写が凄く丁寧で優しい世界で、なのに一歩踏み込んでくるから、ひどく胸が締め付けられる。
PTSDとかパニックの描写が正確でこっちに伝染しそうだったんだけど、子供だちは大丈夫だったんだろうか。
やさしい世界だなあと本当に思う。誰もが悲しみを抱えながら生きてて、誰も苦しんでいない訳がなくて、誰も正しくない。私はすぐに「これは健全/不健全」っていう目で見ちゃうけど、どれもその時はそうするしかない、という決断の積み重ねであって、みんな間違えていながら正しいんだなあと思ったり。私もちゃんと傷に向き合って、向き合うばかりじゃなくて乗り越えなきゃなあ。