うえの

翔んで埼玉のうえののレビュー・感想・評価

翔んで埼玉(2018年製作の映画)
3.7
出身地だけで差別が起こる架空の日本の中で最下層の人間として扱われる埼玉県民を救わんと現れた麻実麗と上流階級民が集う名門白鵬堂学院に入学した麗に恋心を抱き協力することになった生徒会長壇ノ浦百美の2人を描いた空前絶後のディスり合戦コメディ作品。

熱の冷めない実写化ブームの昨今において原作および実写化クオリティともにB級感漂う作品と思っていたが、蓋を開けてみればリピーター続出の大ヒット作品となった今作。
宣材写真だけ見れば宝塚の新作かと勘違いするほどのド派手な面々が、実際にスクリーンで観ると驚くくらい違和感のない存在で見事に感覚がマヒして楽しめる笑。

荒川を境に川口から東京に入ろうとする者を取り締まり(京浜東北線ですねわかります)、埼玉県民には治療なんぞ与えずにそこらへんの草でも食わしとけ!!と罵ったりと一切の容赦なく埼玉県民を叩き潰す爆笑の連続に続き、永遠のライバルだとされる千葉県民との出身有名人を掲げたディスり合戦を繰り広げたりとおよそ大スクリーンで拝む必要があるのかわからない展開が続く規格外の作品だった笑。
後半の打倒東京に向け集結した埼玉県内の各地域代表が集まる中、浦和民と大宮民が喧嘩を始め、それを収めんと与野民が口を挟んだ途端に「与野は黙ってろ!」と罵られる件が一番ツボだった笑。
地理感と埼玉県民の腹の裏を暴いた絶妙なシーンだったな笑。
出身有名人の埼玉側に浦和の椎名林檎と蕨の星野源を出すにはカードと制約が強すぎたのだろうか。。

まさかの第43回日本アカデミーにおいて最多ノミネートを果たす大番狂わせで、2019年のコメディ部門ではトップクラスかもしれない笑。
GACKT突然の格付けチェックやはなわ佐賀県と同時期にリリースされていたという埼玉のうたが10数年の時を経てまさかのタイアップなど芸能界的小ネタも面白かった。
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