ふかい

バーニング 劇場版のふかいのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.8
なにかが「ないこと」、誰かが「いないこと」もしくは「いなくなること」に対する徹底的な執着。冒頭部から「不在」のモチーフが随所に散りばめられるが、それらも全て無に帰すような破壊的なラストは、「虚実の曖昧さ」についてよく考えていた公開時の自分の意識とぴったり一致するものだった。「無」しか描くことのできない芸術作品への愛憎、というべきか。全てを理解することはおそらく一生できないが、それでも年に数回はこの作品のことを思い出す時間が確実にある。いつも浮かんでくるのはセックス中に見た外の景色と、ベンがあくびを堪えている姿である。
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