若大将オーウェン

バーニング 劇場版の若大将オーウェンのレビュー・感想・評価

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
4.5
自分が思ってることや考えてることをまんまと言い当てられてしまったような映画でした。
恥ずかしながらイチャンドン初めて見たけど、他の作品もこんな感じなのでしょうか?

鑑賞後はこれがおそらくイチャンドンでは一番好きな作品なんだろうなという確信を持ちました。それほどまでに今の社会や若者の精神構造をビビッとに描き出しているような…

ラストは確かに衝撃だけど、意外な出来事というわけではなく、その切実さに衝撃だった。
帰ってからも主人公がしたことと、自分の違いってどこにあるのかと考えてしまいます。


宣伝的にはミステリーやサスペンスを売りにしてるけど、現代の空気を捉えた傑作の青春映画だと思った。キネ旬に荻野洋一さんが、テン年代のクーリンチェ殺人事件と書かれてましたが確かにそう思う。あるいはニコラス・レイの青春映画のような。ラブストーリーでもあって。
そしてファイトクラブも連想しました。

撮影はおそらくほぼ自然光で撮ってるのに、あのマジックアワーに撮られたと思われる夕焼けのダンスシーンの美しさ。美しいけど、儚くて、残酷で、悲しくてっていう素晴らしいシーン。

細かくあとからじわじわくる演出が見事。持つ者と持たざる者。北朝鮮と韓国の境界線の話、ギャツビー、フォークナーなど解釈の余地がある要素がたくさんあるので(そこは村上春樹要素?)全部はまだ理解できてないと思うけど、主人公の抱える根本的なところは痛いほどわかった。

あくびしてる金持ちにはバーニングだよ本当に笑