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ビリーブ 未来への大逆転のramca999のネタバレレビュー・内容・結末

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

性差別を法律家の視点で正しくしていくストーリーは意外と観たことなかったかも。
些細なところで女性蔑視が言葉遣いにも表れる時代。
女性は男性に劣って当たり前だと思っているからこそ起きるこの不正を、合衆国民の心を変えようと家族で闘ったギンズバーグ家の物語。
マーティンがあの時代において理解のある立派な夫で、ジェーンが母よりも力強い女性で本当に”次の世代”の家族だった。

個人的にはジェーンの言葉が印象的で、頭でっかちな母に行動することの意義を説いていたり、介護の税法裁判で家族に迷惑をかけていると言ったルースに、これは私(次の世代の女性)のための裁判じゃないの?と投げかけたり。
ルースを動かしたのは夫の支えだけではなく、このジェーンの存在は大きかったと思う。

あと、パーティーでの何気ないスウェーデンの若者が結婚しなくなったっていう法律家トークおもしかった。
我々一般人は自分が触れる法やニュースで取り上げられるような当たり前の法しか知らないけど、法律は歴史の上に成り立っていって、それが国や人を作っている。
「国民への税のかけ方で国の価値が表われる」
法律の角度で物事が見れたら、そこから見える世界はおもしいんだろうなと。

法律って堅苦しいし、どこかで決まった絶対的な逆らえないルールというイメージ。
何というかそこに心はなくてドライなイメージがあるんだけど、
実は人々の心にすごく関連しているものだから、こうやって多くの作品で題材になる。
その相反した感じもドラマを生んでいていいなあって。
作中でも国民の心を変えてから、法律を変えるっていうドロシー・ケニオンの言葉からも法律のベースには人の心があることがわかる。

めっちゃ当たり前のことを書いてるんだけど、
法律って良い意味でも悪い意味でも人が人を操るために作られたものだし、
裁判も人の思いがあって、起きるもので、議論する人たちがそこにいてできることだし、そりゃあドラマが生まれるよって。

ただ、この作品ルース・ギンズバーグの半生を詰め込んでいるから、前半の話の進め方は少し雑。
時間が進んで、さっきの話こうなったんだと理解する。
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