性別の差別を結局は是としていた時代に心の中で 久々復帰する山本に向かって叫んだ狂犬加藤ばりに
『当たり前じゃねぇからなぁっ!』
と叫んだ女性弁護士の話である。
史実を知っている訳ではないのでドコが忠実でドコが映画的創作なのかを完全には知らないが、とにかく主線をスマートに見せる為に脇のキャラや話は必要な分を見せる作りなのでストーリーに没入はしやすい。
と、言っても雑に扱っている訳ではないので、結果テンポが良い。
☆何より中盤のある事案で自身の苦い経験も後押しした結果、勝ち気な言動が災いして鼻っ柱を折られる。
現実を突きつけられる部分があるおかげで、ただひたすらに真正面から正義を振りかざすだけではダメだという事を知る。
実はココに この映画の良さがあるのではないだろうか。
ただひたすら自分の考えを正義として意に反する意見をブッ潰す事じゃない。ソレじゃ勝てないって言ってる様に思えましたがね。
ミミ・レダー監督は過去にアクション映画等も手掛けただけあって展開の盛り上け方も上手く、それでいて女性目線ならでは(なのではないだろうかという予想)繊細さもあり、ストレートではあるが決して『ラジカルにならない』メッセージが伝わる。
正直言うとメルがチョイとヤな奴からのコメディリリーフという感じを薄味で描いているのだが、実はどんな世界でもあんな人が普通(むしろメインキャラや目立ってる脇のキャラの方が珍しい)であり、だからこそもう少し中身を濃く描いて欲しかった気もしなくもないのだけど、まぁソコに重きを置いたら話の流れが停滞する可能性もあるし、仕方ないのかなw
バランスの良い優等生な作りでありながらしっかり押さえる所は押さえてる観やすい作品。
☆の部分が良かったのでスコアアップ。