このレビューはネタバレを含みます
う〜ん、もうちょっと欲しかった。
そもそも、ジュディをあまり知らなくて。昔の人だから詳しくは知らなくとも、楽曲だけでもいくつか聞き慣れたものがないと厳しかった。
時系列の入り乱れ方、男性の支えの求め方、薬物依存など、マリオンのエデット・ピアフと比べてしまう。
ピアフは馴染みある名曲がたくさんあったし、それにのせて、いくつかの見せ場が成功していて、見応えがあった。
でもジュディは"虹の彼方に"しか知らないし、ここぞという見せ場が、観客と合唱で、しかも最後までおあずけしといてこれか〜ってがっかりしちゃった。
ジュディの生い立ちを知ると、周りの大人が酷くて苦しい。薬、小児性愛、売春、自殺未遂、離婚、ネガティブなワードはちりばめられてるけど、チラッと触れる程度に抑えてあった。アメリカでは言わずと知れた事実だからなのか。でも私はそこを衝撃的な映像で釣るような映画ではなかったからよかったと思った。
うなだれて煙草を吸う姿が印象的。
こうなった背景に何があったのかをちりばめられたキーワードで考えていき、つながっていくような感じに仕上がっていると思う。
レニー・ゼルウィガーの存在感は圧倒的だった。
ステージで歌うシーンの目をみた時はゾクっとした。絞られた体と、シワシワの顔。久しぶりにレニーの本気の演技がみられてすごく嬉しかった。