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私は、マリア・カラスのLovemovyのレビュー・感想・評価

私は、マリア・カラス(2017年製作の映画)
4.0
情熱的に生きた女性オペラ歌手ってよく言われる有名な歌手の人生を描いた、フランスのドキュメンタリー。

オペラファンの間では有名な人で、日本でも人気があって、実父から当時のことを何度聞いても覚えられなかった経緯をまとめて見せてもらえて、やっとストンと腑に落ちたw

ギリシャ系の家系だから、コメディ映画「マイ・ファット・ウェディング」の主人公の鷲っぱな女優さんと同じお鼻で、目がついついそこにいってしまう。その女優ニア・ヴァルダロスも脳内シンクロ。

本作を観てると、実際の本人のよりもドラマチックな人生をオペラの登場人物になぞらえて意図的に作り上げたイメージに見えてきて、気の毒になる。カラス本人が友人に宛てた書簡で心情を伝える演出は、悲劇で幕を閉じるオペラ『椿姫』のヴィオレッタを見ているかのようで、その切なさにハメられた。

インタビューに答える様子を見る限りでは、才能に溺れず努力に励み、機転の利く繊細なアーティスト。女性が活躍するにはまだまだ(或いは未だにか?)成熟さが足りないクラシック音楽界だったのでは?自分のパフォーマンスに真摯に向き合っていただけなのに、マスコミによってタブロイド的なネタにされていたのでは?と映る。

晩年オナシスと仲直りしてからは、それまでと違って眼差しが穏やかになり、声質も丸くなって、最盛期の頃とは別人のよう。

全く違う人生だけど、本人が亡くなった年と今の私が同じで、このタイミングで観られたのはなんとなく感慨深い。
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