Inagaquilala

バグダッド・スキャンダルのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

バグダッド・スキャンダル(2018年製作の映画)
3.7
この作品のテーマとなっている国連のOFFP=石油食料交換プログラムについては、あまり知識がなかったのだが、主人公のマイケルの目を通して、少し理解できたような気がする。この種の政治をめぐるサスペンスドラマは、現実に起こったことに対する知識が備わっていればいるほど、興味を増していくのだが、この作品ではあまりそれが不十分でも、その劇中に入っていけるようにつくられている。とにかく余計な感情移入は拝して、場面を構成していくため、理解してついていくのには努力がいるが、この難解な政治スキャンダルを見事にドラマ化した力は並々ではない手腕だ。

監督は「ストックホルムでワルツを」のペール・フライ。やや人物が錯綜して、劇場で観ると多少の見逃しもあり、混乱する部分もあるが、例えば、配信やDVDなどで、場面場面を確認しながら観ていくと、さらに興味は増すのではないかと思われる。自分としては、このような政治ドラマは好みのジャンルなので、劇場には出かけたが、日本では馴染みのないプログラムだっただけに、やや注目はされなかったかもしれない。配信になったら、もう一度、じっくりと観たい作品ではある。
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