晴海通り

幸福なラザロの晴海通りのレビュー・感想・評価

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
3.6
新約聖書 マタイによる福音書5章8節〜

「心の清い人々は、幸いである、その人たちは神を見る。平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。義のために迫害される人々は、幸いである、天の国はその人たちのものである。
わたしのためにののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。」

のっけから引用ですみません。でも本作のラザロの生き様を見るに、これを思い出さずにはいられませんでした。タイトルも『幸福なラザロ』だし。多分無垢で真っ直ぐな青年ラザロは、天の国に行けるのです。

情報もWi-Fiからも遮断され、川すら恐れて渡れない村人たちは羊そのもの。ではエンディングで去っていったオオカミは?聖書の中では悪意や猜疑心として扱われるオオカミなので、無垢の前にそれらが無力だと言いたかったのか。あるいはラザロを食い潰して次のターゲットを探しにいったのか…

でもとりあえずは「貧困の連鎖」の恐ろしさの方が、現代の我々には響くかも。学問こそ必要です。ほんとに。
晴海通り

晴海通り