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幸福なラザロのbirichinaのネタバレレビュー・内容・結末

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

月、オオカミ、聖人ラザロの伝説、インサートされる年老いたオオカミの昔話、これらの関係が紐解けず悩ましい。
ラザロか蘇る時に現れ、二度目に死ぬ時に去っていくオオカミは守り神なのか…それともオオカミ(神)がラザロの肉体に入り込むということなのか…と考えてしまう。
蘇った後は雪の中でも半袖で平気なのを見ると、人間から聖人になったのだろう。

で、とりあえず今のところの解釈。
カンディド並みに無垢すぎる青年ラザロが、月 すなわちデ ルーナ(月)侯爵家の息子に「おまえは俺の兄弟だ」と言われて、私生児で親の顔も知らなかったので嬉しくなる。彼を兄と慕い、彼のためなら何でもしちゃう。それで二度も命を落とす。ラザロの人生は物質的には貧しいけれど、他者のために何かする喜びや幸せに満ちている、そんな教訓のあるストーリーに思えた。

ラザロとアントニア一家が高級菓子を手土産にタンクレディ宅を訪れるシーン。家に入って、あのお菓子を食べることができたのだろうか。直後のシーンが夜になっていたから、そうであってほしい。

ラザロの厚い胸板と濃そうな胸毛は、なんかキャラクターに合わないように思うが、イタリア人的には聖人も そんなイメージなのか?
タンクレディ役の俳優はホント「山猫」のドロンに似ていた。あの赤い上着も(笑)。

悲しいけれど温かい話だった。
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