ジジイ

COLD WAR あの歌、2つの心のジジイのレビュー・感想・評価

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)
4.0
「イーダ」でアカデミー外国語映画賞、本作でカンヌ監督賞を受賞したパヴェウパヴリコフスキ作品。冷戦下のポーランドとパリで音楽を志す男女の物語。一切の無駄を省いたストーリーテリングと美しいモノクロのショットが冴え渡る。民族音楽とジャズが東西の文化的あるいは政治的象徴として使われ、見事にその対比と時代背景を浮かび上がらせている。東西体制という人間が作り上げた環境とそこに暮らし翻弄される個々人の運命が儚くまたもの哀しい。









以下ネタバレです。










西側のわれわれはややもすると東側を前時代的に見下してしまうが、こと芸術という分野ではどちらが上か軽々には論じられない。ズーラが簡単に祖国を捨てなかったのは、ポーランドの音楽に対する彼女なりの揺るぎない美意識とリスペクトがあったからなのではないか。
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