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ブラック・クランズマンのkassyのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.6
試写会にて。

1970年代。コロラドスプリング署初の黒人刑事として採用されたロンは、白人至上主義団体KKKに同僚のフィリップと力を合わせて潜入捜査を開始していく。

アカデミー賞脚色賞を受賞した本作は、実話をベースにした黒人差別をテーマにした潜入捜査ストーリーである。

映画の冒頭では昔の映像が、最後には近年の映像が流れるが、それを見るとこの映画のストーリーは正直現代となんら変わりはなくずっと変わらないテーマなのだと考えさせられる。ずっと繰り返し作られる黒人差別の問題。最近はむしろ逆行してしまった感すらある。

黒人差別が根強い中、黒人達は政治活動をし、白人至上主義団体も活動を行い、それぞれの思想がぶつかり合う。
面白い映画だけど、思想が強すぎてちょっと疲れる部分もあったが、そんな中主人公は自分のやり方で内部から変えていこうともがいていく。

それが痛快であり、あまり重苦しくない映画になっていると思う。黒人のパワーが溢れてエネルギッシュ。
またアダム・ドライバーをはじめとする同僚達もあの時代においては理解のある同僚なのも良い関係なのも良い。

本国ではグリーンブックが日和見主義だと批判されているようで、こちらは過激なのかと思ったが、確かに直接的ではあるが、エンタメにきちんと昇華されている作品であった。
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