えのき

ブラック・クランズマンのえのきのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.0
「black lives matter」
今こそ地上波で流すべき映画。

1979年代のアメリカで黒人初の警察官となった主人公が白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入する実話が描かれる。
ラスト1分のシーンに映画のメッセージが全て詰まっていた。

しかし単に映画作品としてみた場合、正直非凡とは言い難かった。
ノンフィクションの弊害か登場人物の行動基準には疑問を持つところが多く演出も特筆すべき点はなかった。
あえて言うなら潜入中にハラハラした場面があったくらい。

ただ、鑑賞後に考えされられる議題の大きさは他の映画の追随を許さないものがあった。

今は黒人と白人との差が問題となっているけれど、映画のようにユダヤ人も含んだ視点をどれほどの日本人が持っているだろう。「差別される者の主張」と「差別する者の主張」をどれほど吟味した人がいただろう。

どこかで日本は黒人にとって住みよい国だという話を聞いた。黒人も白人もなく同様に「外国人」として扱われるからだと。映画を通じて確かな歴史の重みを感じた。
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