いぐあな

バハールの涙のいぐあなのレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
3.8
イラクのクルド民族少数派ヤジド教徒、バハール。
2014年のある深夜、両親の住む村でISの襲撃にあい、夫たち成人男性は殺され、息子たち子供たちは捕虜として捕らえられ少年兵養成場所へ。バハールたち女性は性奴隷として売り飛ばされた。
あることをきっかけになんとか脱出し、息子を救うべく同志女性たちと共に女性だけの武装部隊を作る。
もうこう振り返っただけでも、しんどい。

バハールの部隊に、世界の過酷な現場を駆け回る従軍記者マチルドが加わり話は進む。

バハールは実在の人物ではないが、監督はクルド人自治区に自ら向かい、女性戦闘員たちに取材を重ね、彼女たちの体験談からこの話を作り上げたそう。

軍服をきて、片手にライフルを持って、片手に子供を抱える姿。
幸せを感じる場面のはずなのに、何故か虚無感に襲われる。無。無しかない。

従軍記者マチルドのモデルはメリー・コルヴィンですよね。
なんで命の危険を冒してまで、彼女たちが戦場へ向かうのか。
何故、真実を追いつづけるのか。彼女もまた葛藤し苦悩していた。
エンディングで語られる彼女の思い。
その思いもまた、世界の事実。

見ようと思って見ていなかったメリーコルヴィンを描いた映画「プライベート・ウォー」も近いうちに見てみようかと。
いぐあな

いぐあな