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イメージの本のiiのレビュー・感想・評価

イメージの本(2018年製作の映画)
5.0
この映画を世界中の人が見れば世界はもっと良くなるであろう。ただ、そんなことを空席の目立つ銀座の映画館で思った。そして喋った。
希望だけは持ち続けろと。一日を描くことに永遠の時がかかるとしても希望を持ち続けることが映画の未来であり、ゴダールが咳き込みながらも伝えたかったこの世の真理に近づくヒントである。

もっといいたいことがたくさんある、彼はこれ以上また、映画を撮ろうと思うのだろうか。僕みたいな甘ちゃん若手は全然語れない。けど、これ以上の映画?
映画を観ることはしばらく、もしかしたら、永遠にないのかもしれない。でも、これ以上の、映画に以上も以下もないが、

なにか、上手いこと言えないが、なにか、また、映画、映画を観たいという希望を持って生きようと思う。






……次の日


行間を読めない技術屋が声を上げてこの作品の崩れ方を批判しようとも、映画にもともと形なんてない。いくら本を読んだ人たちが語ろうとしてもイメージの本からは逃れられない。少なくともゴダールがこの映画内で叫んだ言葉の一つ一つ、音楽、それらを全て内包する映画、引いてはイメージは、この世界に高らかに鳴り響く賛歌には、なり得ないかもしれないが、僕や、その他、人々、一人一人に優しく、厳しく、美しく、最も汚く、高らかに、この世の万物の声を、ひっそりと聞かせてくれる。

横に座って旧来の友達のように優しく、天啓のように上から、画面の比率も音楽もバラバラに、全てのピースが埋まるように、全てのピースが崩れるように語りかけてくれる。生だ死だ、なんてことは愛だ、なんてことはどうでも良くてどうでも良くない。

とりあえず好きなんだ、この映画が好きで、映画が好きで、世界を愛してみたくて、彼女を愛してみたくて、そういった希望のために生きていて、如何なるものもスクラップアンドビルドでやってきていて、東洋と西洋、西と東があって、平和と戦争があって、皆、対比して、主観や客観を争わせていて、でも世の中はそんな簡単な二元論で語ることは不可能で、真理は余白にこそ存在していて、語りたい、語っている今が全てで、語っていない余白が全てで、僕はそんな綯い交ぜにした全てを肯定したくて否定したい。
書きすぎてよく分からなくて、でも、希望は、他の誰よりも好きであるという希望だけは失いたくない

一緒に観てくれた彼女に感謝を
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