寝てしまうかも…と危惧していたけど、全然大丈夫だった。
私はゴダールについては、語れない。わからない。
そもそも、ゴダール作品をそんなに観ていないし、観ても難解過ぎて意味わからなかった作品もあるし。。
だけど、私は『ゴダールのマリア』がとても好きで、よく深夜にこの作品を観ながらぼんやりと考え事したり、BGMのような感覚でずっと流し続けたり、詩を読むような感覚で味わったりと、何度も観ているのだけど、今作の『イメージの本』も、まさにそんな風に、私の夜更かしのお供にはうってつけの作品だなぁと思った。
言葉になった映像のイメージ。
様々な映画や絵画からの、コラージュの波。
断片、断片、断片…の連なり。
反復される音楽はとても印象的に響く。
そして、ゴダール本人のナレーションで、詩のような、台詞のような、散文のような、独り言のような言葉たちが語られる。
引用される映像はゴダール自身の過去の作品も含めて、随分と古いものから、最近の意外な作品まで、本当に多種多様だ。
「五感」「5本指」「5大陸」につながる数字の「5章」から成り立つこの作品は、その章ごとにそれぞれタイトルがつけられているけれど、正直、そのタイトルが指し示すものや、映像との関連性、その中に込められたメッセージが解るかというと……やはり、よくわからない………。
ただ、この無数の映像の断片の一つ一つが、傑出した美しさを持っていたということだけは、確かだ。
本当に、その美しさとインパクトは圧倒的だった。
このセンス、この密度、この熱量。
ラストに掲げられた
「何ひとつ 望み通りにならなくても 希望は生き続ける」
というメッセージには、静かに心が震えるような感動を覚えた。
これが映画か?というと何とも言えないけれど、「84分間のアート体験」としては、頗る面白さがある作品だったと思います。
DVD・BD化を楽しみに待ちます。。