ちゃんさわ

ドッグマンのちゃんさわのネタバレレビュー・内容・結末

ドッグマン(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

”大人版ジャイアンとのび太”という前評判通り、2者のパワーゲームと共依存を描いた作品であった。

イタリアの寂れた海沿いの街でトリミングサロンを営むマルチェロは、地域住民たちとそれなりに仲良く生活し、離婚した妻に育てられている娘と遊ぶことに幸せを感じていた。
しかしそんな日々を脅かす存在がいる。シモーネという大男は野蛮で会話が通じず、気に入らないことがあればすぐに暴力を振るう薬漬けの危険人物だ。

地域住民たちはこの癌のような男にほとほと困っているため、いっそのことマフィアに委託して殺してもらおうか協議するのだが、それでもマルチェロは”そこまですることはない”と庇う。
その後も、シモーネに無理やり強盗の逃し屋的役割を担わされたり、別の強盗の犯人として代わりに逮捕されたりという、信じがたい行動を取ってしまう。

何故マルチェロはここまでしてシモーネを懐柔しようとするのか。
本当に存在するのかわからない友情を信じているのか、優しくし続ければ約束した報酬を支払ってくれると期待しているのか…。

マルチェロはシモーネをコカインで餌付けしていたように、ある種、普段彼が犬と築く関係性をシモーネとも構築しようとしていたように思える。

調教しても言うことを聞かない犬は最終的にどうなるだろうか。檻に入れられ、それでもなお暴れる大型犬は処分される。しかし苦闘の末に待ち受けている現実は苦い。

https://www.tbsradio.jp/archives/?id=p-412541
https://www.theguardian.com/film/2018/may/17/dogman-review-matteo-garrone
https://www.nytimes.com/2019/04/11/movies/dogman-review.html
https://www.rogerebert.com/reviews/dogman-2019
ちゃんさわ

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