カオリ

こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話のカオリのレビュー・感想・評価

3.8
ちょっとこれは怖い系かもしれない…と思って、観はじめるまでに時間がかかりました。大泉さん主演でなければまず観なかったでしょう。

「ん?」と思うところはもちろんあるし、予想していたような怖みを感じるところもある。

作品としては、感動させることを軸においていないので、単純に「こんな人たちがいたんだ」っていう自伝的なお話としてみるのが宜しいのかなぁと。

えてして、人に頼って真正直に生きると、ワガママだ自己中だのと言われがち。かといって頼らずに1人で頑張ろうとすると、もっと人に頼れと言われる。
ここの線引きというか、それはないだろうと思う境界は人それぞれ。頼れる人たちが周りに居てくれる環境を築くまでの過程は、この映画では描かれておらず、そこが少し残念ではありました。

ただ、なんといっても、感謝などの気持ちを伝えることの大事さっていうのを凄く感じました。いつ喋れなくなるか、いつ死ぬかわからないから、というのもあるのでしょうが、それは健常者であっても同じことのはず。その対象が、血のつながった身内であっても血のつながらない他人であっても、同じこと。 

生かされていることに、きちんと感謝できているだろうか…?
そんなことを思わされた優しい映画でした。
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