Inagaquilala

マイ・サンシャインのInagaquilalaのレビュー・感想・評価

マイ・サンシャイン(2017年製作の映画)
3.7
旧弊な共同体から脱け出し、自由を手に入れようとする5人姉妹を描いたデビユー作「裸足の季節」が各映画賞で高く評価されたトルコの女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュベンの最新作。「裸足の季節」は彼女の故国であるトルコが舞台だったが、今回の作品は、アメリカのロサンゼルス。1992年、この地で起こった暴動事件に巻き込まれたアフリカ系アメリカ人の「家族」を描いている。

恵まれない子供たちを引き取って一緒に暮らす女性をハル・ベリーが、騒がしい隣室に苦情を言いながらも実はあたたかく見守る中年男をダニエル・クレイグが演じている。「007」のときとは、180度異なる役どころのダニエル・クレイグがなかなかの好演。性格演技もできるというところを見せていて、興味深い。それにしても、このデニズ・ガムゼ・エルギュベン監督、なかなか表現が細やかで、前作と同様に、心にしみるヒューマンドラマを撮る才能だ。
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