フォルトゥナの瞳という、死の直前の人間が透けて見えるという目を持つ主人公の悩みと葛藤、そして恋愛模様をサスペンスタッチで描く。
恋愛映画の名手、三木孝浩監督の最新作で意欲作かと思われる。三木監督ならではの光溢れるキラキラしたシーンもありながら、今までの作品で一番サスペンスで暗い作品になっている。構成としては僕は明日昨日の君とデートするが近いかと。
ストーリーは悲劇性をもたらすための物語設定がやや鼻につく。
設定が非科学的であるが、物語上の制約もまた非科学的である。
その非科学的さをすんなりと受け入れられるのかどうか。そこが物語の鍵にもなる。
フラグや伏線はわかりやすいが、どうしようもない結末には思わず涙してしまう。
結末は幸福さをアピールしているが、悲しい決断だと思う。こんな決断をキャラクターにさせる設定とは、脚本家(原作者)も悪いやつだな…と思ってしまった。
設定ありきの悲劇であり、悲劇の為の人物達と言った感じの映画である。
ONE OK ROCKの主題歌はなかなか良かった。