ロビン

天国でまた会おうのロビンのレビュー・感想・評価

天国でまた会おう(2017年製作の映画)
4.1
まず、ジャケ写は絶対にエドゥアールのマスク姿をもっと全面に押し出さないとダメでしょ!!

第一次大戦終結直前、交戦中に生き埋めになったところ御曹司のをエドゥアールに助けられたアルベール。
その直後に顔の下半分を吹き飛ばされるという大怪我を負ったエドゥアール。
しかし、エドゥアールは父親に会いたくないと実家に戻りたがらず、戦死したと偽り大富豪である父親との縁を断ち切る。
戦後パリに戻った二人は、戦没者をたたえる一方で戻ってきた兵士には冷淡な世間を目の当たりにする。
戦争で何もかも失った二人は人生を取り戻すため、孤児ルイーズも加わり国を相手に詐欺を企てる。。。

なかなか前衛的で素晴らしい作品だった。
フランス映画の芸術性の凄さを再認識させてもらった。

詐欺容疑で逮捕され、憲兵隊支部に連行されたアルベールは、戦友で共犯者のエドゥアールとのこれまでの経緯を語り始めるところから物語は始まる。

冒頭の戦闘シーン迫力もあり見応えある。
そして伝令のワンコが賢くて可愛い!

アルベールが「彼は戦争を愛してたドイツ軍よりタチが悪い」そう話した上官のプラデルが最低のクソ野郎だ!
コイツのせいで、死ななくても良かった多くの生命が奪われた。。
そしてコイツは戦争が終わった後も一貫して終始クソ野郎!

劇中、顔に大怪我をしているエドゥアールは芸術的なマスクを次々と作っては、そのマスクをつけている。
エドゥアールのマスク姿ちょっとした、狂気性も感じるが圧倒的アートの世界で、そのアートなマスクの数々に心奪われる。 。

そして、怪我の為話すことが困難なエドゥアールのことを、何故か通訳できちゃうルイーズがいい味出している!

ラストの辺りでマスクをつけたエドゥアールに父親は再会する。
マスクは付けているがその青い綺麗な瞳で、息子であることを確信し、かつて息子の芸術性を否定していた父親が息子の芸術性を理解し認めて褒め称え、抱き合うシーンに涙が溢れる。。
が、次の瞬間思わず「え!!」と声を出してしまった。。

そしてアルベールが全てを語り終えると、憲兵は不思議な行動をとる。。

【ネタバレ】
  ↓


父親と抱き合った後、ホテルのバルコニーから飛び降りて自死したエドゥアールの行動はかなり衝撃的だった。。
父親に認められたいという願いが叶えられて、もうこの世に思い残すことはなかったんだろうか。。

アルベールが全てを語り終えると、憲兵は部下たちを部屋から出した。
そしてアルベールが逃げられるようにする。
不思議がるアルベールに憲兵は自分が戦場でプラデルに殺された若い兵士の父親であることを明かす。
ここで冒頭の戦場のシーンの出来事と繋がってちょっと鳥肌が立ってしまった。

最後アルベールは、ルイーズとエドゥアールの実家のメイドで恋仲となっていたポリーヌの3人で手を取り合って旅立って行く終わり方も良かった。
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