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ペット・セメタリーのじゅぴのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(2019年製作の映画)
2.8
以前から気になっててやっとこ見てみたら、リメイク版だったのね。

愛する者を失ったとき、どんなかたちでも取り戻したいと思うのは理解し難いことではない、特に親が子を思う場合は。

怪奇小説の古典「さるの手」を思い出した。どんな願いでも3つかなえてくれるという小さな猿の手のミイラ。
譲り受けた老夫婦とその一人息子は、家のローンの残額が欲しいと気軽な気持ちで1つ目の願いをかける。
翌日、夫妻は望み通りその金額を手にすることとなったが、それは夫妻の息子が勤め先で事故のため命を落とし、会社側が用意した補償金と同額だった。
嘆き悲しんだ母親は、息子を生き返らせてと2つ目の願いをかけるよう夫に迫る。凄惨な息子の遺体を見ている父親は躊躇するが、妻の懇願に屈して猿の手に禁断の願いをかける。
その夜、誰かが夫妻の家のドアを叩く。息子が帰ってきたと喜び、迎え入れようとする母親。しかし、「それ」が入ってくるのを恐れた父親は…

という小説なのだが、徐々に強くなるノックの音やドアの外にいる「それ」を想像するだけで、恐くてたまらなかった。

映画の場合、見せてしまうまでの盛り上げ方、煽り方で怖さを感じる度合いが変わってくる。冒頭の葬列シーンや玄関の泥だらけの足跡辺りまではゾワゾワしたが、生きている人間を襲いはじめ、続編作るぞ感チラ見せのラストに至る頃には低級ゾンビ映画になってしまって残念。女の子がとても熱演だっただけに。
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