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坊ちゃんのmitakosamaのレビュー・感想・評価

坊ちゃん(1980年製作の映画)
3.6
夏目漱石・坊ちゃんのアニメ化。キャラデザもモンキーパンチで、テレビアニメのルパン三世の作風そのままに映像化したぞ。

モンキーパンチデザインと言ってもアニメスタッフのフィルターを間に挟んでるからね。アニメ版ルパンと一緒で、氏の作風とはかけ離れてるんだけど。

実際、アニメ版ルパンのセルフパロディも多い。まず、ヤマアラシの声に銭形の納屋吾郎。ウラナリの声に山田康雄を起用してる。
他にもルパンのサブタイトルに使われるタイプライターの表現とかも行われてる。

そして主人公の坊ちゃんに西城秀樹。ヤングマンの演技が、決して上手くは無いが、下手でもない。なんて言うか声質が良いから、すんなり受け入れられる。耳障りが言い声なんだよね。

全体的に凄いテンポが良い。漫画的なズッコケを連発しオーバーアクションを繰り返すので、純文学とは思えないエンターテンメントぷり。
しかも出崎演出によるハーモニーの連発などがスピード感に拍車をかける。

また、ピョ〜ンとかチャ〜〜ンみたいな漫画的効果音が多いのも特徴。
今じゃ見られなくなった音の表現方法だ。(カリ城が79年だからそういう表現の最後期になるね。)

松山の学校の教師として、生徒達に愛情表現として揶揄われ、幅を利かす赤シャツ教頭の鼻をあかそうと奮闘する。坊ちゃんの若さと情熱溢れるバイタリティがアニメならではの表現で形成されており、実に見応えがある。
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