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タロウのバカの10のレビュー・感想・評価

タロウのバカ(2019年製作の映画)
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上映前舞台挨拶鑑賞。
YOSHIが「うーん、考えるんじゃなくて、体でfeelして!」と言っていた。その言葉をすっかり忘れてしまい、序盤考えながら観ていたが分からないことが多すぎる。。途中から考えることをやめ、力を抜いてみると、ぼーっと観てるだけなのに彼らの叫び、エネルギーが伝わってくる。そのくらいエネルギッシュな作品。

社会の外に押し出された彼らは、偏見や先入観を持たず、純粋な好奇心と知識欲のみで行動しているタロウを中心とし、生と死、愛をとことん追求していく。親に愛されず、学校に一度も行ったことがないタロウは、人が死ぬということ、人を愛するという感情すら知らない。だからこそ、命で遊んでいるような、危なっかしい描写がいくつもある。
公園のベンチに座っているおばさんに「僕はタロウって言うんだ。エージとスギオがつけた。(中略)僕にはエージとスギオがいるからいいんだ。」というような会話がある。その感情を”好き”って言うんだって大人が教えてあげていれば、その感情を守ることが出来たのかもしれない。
失ってから”死ぬ”怖さを知り、同時に”好き”を知ったタロウがあまりに切ない。

YOSHIのエネルギーに満ち満ちている演技はもちろん、その脇を固める菅田将暉、太賀、豊田エリーが凄い。寧ろここまで演技力の高い俳優を揃えないとYOSHIは映えないのでは?太賀ってあんな表情するんだなぁって苦しかった。

鑑賞中は目を逸らしたくなり、時間が長く思うほど面白いと感じなかったが、鑑賞後は観てよかったと思えるようなそんな不思議な作品。
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