過去はいつでも美しいし、現実は誰にとっても1人で受け止めるには非情すぎるということ。
いわゆる“青春の終わり”を描いた群像劇。
こういうテイストの映画に自分は弱いんだなあと再確認した一本です。
「もう戻れない」からといって、過去を思い起こすことは必ずしも逃げじゃない。
未来にのみベクトルを向けていられるほど私たちは強くないのだから。
それなのに、過去を思うことが何故だかダサく見える時がある。なにかに負けたような気がする。
地元に残った彼らのように、取り残された感覚に囚われることがある。
この映画は、そんな彼らがきちんと過去を見つめられるようになる物語。
楽しかったあの頃を思いながらも、「それぞれの現実を生きていくしかない」と覚悟を決める物語。
自由で無責任でハッピーなあの頃を折り返し、背負うものがそれぞれ増えた帰り道。
少し寄り道して花火に興じるのもまた良しということ。