ノラネコの呑んで観るシネマ

うちの執事が言うことにはのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

うちの執事が言うことには(2019年製作の映画)
3.8
ある日突然、名家の当主を継ぐことになった主人公と、彼の忠実な執事のお話。
ジャニーズはグループが沢山ありすぎて、King&Princeの二人は全然知らなかったが、映画は面白かった。
もっとミステリー色が強いのかと思ったら、そっち系ではないんだな。
いや、一応事件は起こるし、主人公が常人離れした色彩感受性を持っていて、その能力が鍵にはなるのだが、人が死んだり大金が盗まれたりする訳ではなく、ミステリー要素はライト。
基本的には、共に若くて未熟な当主と執事が、責任と信頼で結ばれるまでの青春成長物語。
主人公は若過ぎてまだ当主の責任に目覚めておらず、執事もそんな彼をどこかで認めていない。
二人がぶつかり合いながらも事件を解き明かし、少しずつ関係を洗練させてゆく。
全体に名コンビ誕生のビギニング的な作りで、おそらくはドラマ化なども視野に入れているのだろう。
展開は地味だが、バランスよくまとまっている。
原作未読だから比較は出来ないけど、たぶん青島武の脚色が上手くいってるんだろうな。
執事の仕事の描写など、ディテールが丁寧なのも好感が持てる。
こっちも知らない人だったが、執事役の清原翔がなかなかいい。