@第七藝術劇場
ずっと観たかった作品、とてもよかった。手話は美しい言語であり文化であり芸術だと思う。当たり前であるべき「表現」という手段を奪われていた歴史を知り愕然とする。研究でも必然でもなく「あなたと話がしたいから」という当たり前を見習おう。
ろう者と聴者のもっと私的な話かと思いきや、人間の尊厳とはという普遍的な問題提起が描かれていた。何故人は自分たちだけの理由で他者を排除するのか。聴者は聞く耳を持たないということばが刺さる。
手話で会話をされている方の表情が豊かなのは、手の動きに加えて目線が重要だからというのも勉強になった。これも人と人とがコミュニケーションを取る時に当たり前のこと。普段人の目を見て話せないわたしが、自分の気持ちをわかってもらえないとか言うてるのが恥ずかしくなる。
手話に対しては、マイノリティの言語とかハンディキャップを補う手段とかいうふうには思っておらず、ただ純粋に美しいことばだと思っている。極端な話、例えばダンスで感情を表現するのと同じなんじゃないかと。
フランスでは100年もの間手話が禁止されていたという。それでも自分たちの表現方法を無くさないために継承し続けてきた人たち。こういう思いこそ尊いと表現すべきだと思う。
以下余談。
去年か一昨年か忘れたけど、全日本プロレスの試合を観に行った時に、メインで勝ったゼウス選手が、会場にいるろう者の方(たぶん知り合いの方)にもわかるように手話を交えてマイクパフォーマンスをしていてめちゃくちゃ恰好よかった。見た目と入場曲は怖いけど、ゼウスめちゃくちゃいい選手ですよ皆さん。