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魂のゆくえのkouのレビュー・感想・評価

魂のゆくえ(2017年製作の映画)
4.5
「タクシードライバー」の脚本を書いたポール・シュレイダー監督作。主人公の牧師を演じるのはイーサン・ホーク。監督自身も答えているように「田舎司祭の日記」を基にしている部分が多い作品。「タクシードライバー」にも通じる部分がある。

今作で描かれるのは宗教、そして現代のアメリカの病だ。教会自体のあり方も変わり、人々の宗教への考え方も変わり、その先にあるのは自分の利益だけ。環境破壊が進み、権力がものをいう。そんな世界をある女性と出会ったことで気づかされていく主人公はあらゆる物の板挟みのようになり、疲弊していくのだ。

静かな映画であるが、とても心に残る多くの要素を含んでいる映画だと思う。ラストの解釈も見終わった後考え続ける余白を持っている。素晴らしい作品だった。
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