Zhivago

魂のゆくえのZhivagoのレビュー・感想・評価

魂のゆくえ(2017年製作の映画)
2.7
平成のほぼ最後になんとも感想の難しい作品をみた。
監督はスピリチャルなものを作る意思があったらしい。しかし扱っている題材は極めて人間臭く政治的だ。
小津やタルコフスキーの影響を受けているとのことで、そこかしこの演出にそれは感じとれる。しかし、小津やタルコフスキーのような徹底的なプリンシプルのようなものは私には感じとれなかった。
60年代以降のアメリカの政治的苦悩をいまだに引きづっている。監督自身がアメリカにとって難しい時代になっていると発言しているが、その難しさというか迷いみたいなものが映画にも隠すことなく表れているように見える。
監督自身が割り切れてはないんだな、混沌をそのまま表現するのは正直でいいのだけれど。
地球環境問題を直接に扱っているけれど、もう一つの重要な主題は、宗教問題にみえる。メガチャーチと地域のプロテスタント教会の並列。表面的にはメガチャーチへの戦いといった構図にはなっているが、作品には、メガチャーチが貧困層に食事を与えるシーンが出てくる。このシーンを出すということは、監督自身、メガチャーチを完全否定しているわけではないのだろう。アメリカプロテスタント系教会に詳しくない私からすると、遠くの地球環境問題よりも、現在進行形の貧困者対策のほうが大事に思える。社会的弱者を取り込むメガチャーチのパワーについてなるほどと実感してしまう。
結局最後はスピリチュアルというほどのことにはならなかった。監督の目指したものはなんだったのか。あくまで人間臭さ満載の作品になっている。これが監督が人生の集大成で作りたかったものなのか?
アメリカでは評価されている作品。けど、私には分からなかった。
プロテスタント教会問題という宗教問題も含めてアメリカの苦悩を表現した作品、とでも言ったらよいのだろうか。
アメリカはCO2の消費国でもあるが、大した産油国でもある。対して日本はCO2消費国の側面しかないが、世界中で産油国は限られた数しかない。産油国と消費国を兼ねる国家なりの問題意識はあろう。けど、それは消費国のみの国家には直接的には響かない。

うーん、感想は難しい。