とにかく抜群にカッコイイ。特にバイクでタンデムする姿は銅像に残してもいいくらいにカッコイイ。
前作は大学生のときに観た。青春の淡い思い出だ。当時はデートには最適だけど、格好はいいけど、内容の無い映画だなあ、という感想。
しかし今作はなんだか共感しがいのある内容だった。前作は無鉄砲で野心的な若者。私はトムクルーズの5歳下だからちょっと先輩のアキニといった程度の存在、ほぼ同じ年代だ。当時は私もバイクに乗っていたからその当時のアニキのカッコよさに憧れたものでもあった。
その彼も60歳になり、部下をもつ立場になり、人生に満足もあれば後悔も抱えている。これでよかったのだという自覚と過去は間違っていたかもしれないという後悔。自分のことだけではなく、部下や所属する組織のことで悩む。組織の上長と部下の間で悩む。組織と自分の人生で悩む。今風にいえばワーク・ライフ・バランスで悩むとでも言おうか。
私も前作当時は恐いもの知らずだった。野心満々で努力家の自負があり実力も能力も高いという自信があった。今では所属する組織でそれなりの地位を頂き、組織のことを考え、部下のことで悩まなければならない。
クルーズの抱える過去と悩みにとことん共感してしまった。
カッコイイだけの中身の無いトップガンではなかった。こんなトップガンが製作できるなら続編もやってほしい。老いていくマーベリック=トムクルーズをこれからも観ていきたい。
