またたび

ランガスタラムのまたたびのレビュー・感想・評価

ランガスタラム(2018年製作の映画)
3.5
RRRがあまりに面白くて、再びインド映画を鑑賞。 
RRRはイギリス植民地時代のいわゆる時代劇的なものだったけれど、こちらは1980年代というから、私の青春時代ドンピシャの設定。
主人公が、あまりにおバカでコメディ要素強めかと思っていたら、最期はカースト制度に対する批判というか復讐めいた話で衝撃的だった。
私が初めてインドに行ったのは1992年だだたから、この話の少し後。
確かに、当時は南アフリカのアパルトヘイトがマンデラによって廃止され、残る人種差別政策はインドのカースト制度だと言われていて、インドは世界的体面上、厳しい立場にあって、私が行ったときにはカースト制度はもうないと言われた。
しかし、道には物乞いが溢れ、物乞いは世襲で親は子供が生まれると人の同情が引けるようにと腕を切り落としてしまったりする。
ホテルの敷地でもホテル内でも奇妙なことがあった。ホテル内の店で土産物を買おうとして値切り交渉で納得いかず、それならいらないと店を出ると後をついてきてしきりに声をかけてくる。ところが、ホテルロビーの絨毯の上を歩くとそれがピタリとやみついて来なくなる。どうしたのかと振り向くと絨毯の外で土産物を手に持って私を見ている。よくよく見ると同じように商品を手に持って絨毯の周囲をぐるりと囲んだ人たちが沢山いる。
なんでそんな所に突っ立っているんだと不思議に思いながら、絨毯から出て部屋に戻ろうとすると、再び声をかけて後ろをついてくる。部屋について来られたら嫌だと思い絨毯のあるロビーに戻ると声かけがピタリとやむ。
なんなんだこの絨毯は安全地帯なのか⁈と不思議な体験をした。
それでも、人の生きるエネルギーは強く、この映画は、若いときに何度もインドを放浪したときのことを思い出させてくれた。
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