またたび

沈黙の艦隊のまたたびのレビュー・感想・評価

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)
3.8
漫画原作も問題作だった。
この映画は、防衛省と海上自衛隊まで協力したとの宣伝だが、きな臭い感じがして仕方がない。

安倍内閣の頃から、自衛隊が防衛の名の下に予算を増強し、さらには集団的自衛権まで認めて、すっかり戦争やる気満々の国になりました。防衛って言うけどね、戦争っていうのは防衛の名の下に始まるんですよ。今のロシアとウクライナだってそうでしょう。ロシアからしてみたらあれだけ東ヨーロッパや北欧までNATOに入ったら、自国防衛のために手前で止めたいよね。
イスラエルとパレスチナだって同じ。アメリカが勝手にイスラエル国家を作り、追い出されたパレスチナ人からしたら防衛だよね。

ここ数年、マスメディア、テレビから自衛隊宣伝の匂いがして仕方がない。
どこの局も、タレントが自衛隊内部に入って戦闘機や戦車に乗ったり。カズレーザーは、言わずと知れた国策の手先だし(安倍昭恵ちゃんと仲良しだったのは有名)、将来、政界にでも転身するんじゃない?彼は頭がいいから、国家という最大のスポンサーを見つけたんだよね。
この間なんかTBS日曜劇場のVIVANTなんかも自衛隊宣伝ドラマだよね。別班って自衛隊だったよね。
民放は、企業スポンサーが金を出さなくなってきているから、やはり国もスポンサーにしているんだよね。
最近のCMで不思議なのはB to Cではない、B to B のCMがやたら目につくこと。どういうことかというと、これまでCMというのは一般消費者への宣伝のために作られてきた。ところが、一般的消費者を相手にしない企業の企業自体のCMが増えてきたということだ。大林組とか商社伊藤忠や石油業界のINPEXなど、商品の宣伝じゃないCMがやたら目に着く。
何のために消費者に関係ない企業がCMを打つのか。おそらく人材不足が背景にあるのだと思う。私自身ひしひしと感じているが、労働者人口の減少により、企業も国や地方公共団体(公務員)もリクルートに困っているのだ。

そして、国は自衛隊を国外に戦力として派遣する日が遠くないのを察知して、任官が少ない自衛隊の増強が急務なのだ。そのためには、自衛隊カッコいいという宣伝をして、若者に自衛隊入隊を誘っているのだ。
航空自衛隊は、飛行機乗れるよ!とブルーインパルスを宣伝に使い、海上自衛隊は、今回、この映画を宣伝に使う。
おそらくこの映画の制作の背景には、政治家あたりからの要望もあるんじゃなかろうかと思っている。大沢たかおまで利用して。
私の生きている間には、日本は戦争をしないだろうと思っていたが、それも怪しくなってきた。
みんな、マスコミなんて信じちゃダメよ。結局、マスコミは国策に賛同するようにできてんだから。

この映画を観ながら、国とマスコミに対する不信感を強めていた。

最後に作品の感想を。
日本でもこんな映像を作れるようになったんだと感動した。
ただし、アメリカパートのセットはちょっとちゃちかった。
海の中の音を解析して予測する職人技を朝ドラらんまんにも出ていた前原滉さんが演じていてカッコよかったです。
大沢たかおさん、王騎将軍に続き不気味な海江田ピッタリでした。
無骨な内容なのに音楽がクラシック(交響曲)なのが素晴らしかった。それも内容的に必然で。これは漫画では限界があるから映像化ならではの功績。
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